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【AMED事業◎クローズアップ】エビデンスに基づいたヘルスケアサービスによる健康長寿社会の実現へ

私たち日本医療研究開発機構AMED(エーメド)が推進するプロジェクトの一つに、医療機器・ヘルスケアプロジェクトがあります。この中で、皆さんの身近なテーマでもあるヘルスケアサービスに関する取組をご紹介します。


玉石混交というヘルスケアサービスの現状

健康長寿社会の実現には、日常生活を通じた健康増進の活動を続けることが重要です。ヘルスケアサービスは近年成長著しい産業分野でもあり、今後も成長が期待される分野として、現在、国内では様々なヘルスケアサービスが普及しています。しかしながら、それぞれ有効性が検証されたもの、されていないものなど、玉石混交なサービスが乱立しています。

その背景として、ヘルスケアサービスを開発・提供する事業者にとって、どのようなエビデンスを取得すれば良いのか分からない、利用者にとってはどのサービスがエビデンスに裏付けられているのか分からない、ヘルスケアサービスは中々毎日続けられないといった社会的な課題があります。
 
そういった課題を解決し、エビデンスに基づくヘルスケアサービスの普及を促進するため、AMEDは経済産業省の方針のもと、2022年9月より「予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業(ヘルスケア社会実装基盤整備事業)」を開始しました。

ヘルスケア社会実装基盤整備事業について

この事業は大きく分けて2つの取り組みを行っています。

一つ目としては、各医学会が事業者、利用者と連携して、各ヘルスケア領域におけるサービス開発や利用の助けとなるような指針などの作成を進めています。領域としては、1次予防では、高血圧、糖尿病、慢性腎疾患、フレイル、認知症、メンタルヘルス、女性の健康の7領域2次・3次予防では、脂肪肝関連疾患、循環器疾患、婦人科疾患の3領域に取り組んでおり、実に40以上もの医学会に参画・連携して頂いています。

二つ目は、サービスの開発や評価をするための、ヘルスケア領域の特徴を踏まえた研究手法の開発です。具体的には、ヘルスケアに取り組む価値を多面的に評価する尺度の開発や、行動変容の促進などサービスの評価に繋がる指標の開発、エビデンスを構築するための研究デザインの開発を進めています。これらによって例えば、あるヘルスケアサービスによる従業員の労働生産性の改善の評価や、ヘルスケアサービスで課題となっている継続性の改善が期待されます。

この2つの分野で計24の課題を支援しています(2023年6月19日時点)。

予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業(ヘルスケア社会実装基盤整備事業)ウェブサイトより

様々な立場の方との議論を踏まえ事業を始動
本事業の立ち上げから担当しているAMED医療機器・ヘルスケア事業部ヘルスケア研究開発課の内海拓郎さんは、立ち上げから今にいたるまでを振り返ります。「多くの学会関係者、アカデミア、ヘルスケアサービス事業者、利用者と面談し、ヘルスケアの現状や今後のあるべき姿について意見交換をさせて頂いています。ステークホルダーが非常に多岐に渡るため、丁寧な議論を重ねることが大切で、大変な取り組みでもありますが、様々な立場の考え方に共感し、色々な方と連携出来る貴重な経験となっています。本事業を通じて作成する各ヘルスケア領域の指針や研究手法は、事業者や利用者に活用されることが重要となりますので、事業推進においては共創の視点を重視しています」

事業について説明を行う、AMED医療機器・ヘルスケア事業部ヘルスケア研究開発課の内海さん

ヘルスケアサービスにおけるエビデンスの
重要性を広めていく

この事業で作られる指針や研究手法の成果は2024年度に出てくる予定ですが、サービス提供者や利用者に活用頂かなくては意味がありません。早い段階からヘルスケアサービスをエビデンスに基づいて開発・提供することの重要性、また、そうしたヘルスケアサービスを選択・利用する必要性を、より多くの方に理解をしてもらえるような機運を高めていくことも不可欠です。

そのため、この事業のスローガンに「エビデンスでつなぐ、健やかなライフステージ」を掲げ、シンボルマークは科学的なエビデンス(+E)をもとにデザインしました。ヘルスケアサービスを発展させ、サービスを提供する事業者や利用者のどちらにとっても多くのベネフィットをもたらすことや、国民が健康と幸せを実感できる社会を実現することへの思いを込めています。また、事業者、利用者に向けた本事業の紹介などの動画情報発信を進めています。今後、より多くの関係者を巻き込みながら確かなヘルスケアサービスを普及させるための機運醸成を高めていきます。

事業スローガン

ほかにも、2023年3月1日には、サービス提供者、自治体や健保組合などの利用者、医師、アカデミアが一堂に会し、「第2回 予防・健康づくり領域の社会実装に向けたシンポジウム」を開催しました。200名以上が現地参加し、有識者の議論に耳を傾け、終了後のネットワーキングではお互いの交流を深めました。

「第2回 予防・健康づくり領域の社会実装に向けたシンポジウム」登壇者、関係者

同じくAMED医療機器・ヘルスケア事業部ヘルスケア研究開発課で事業を担当している阿野泰久さんは、本事業の活動について、「研究支援だけではなく、成果物を確実に世の中に届けて、国民の皆さんのより健やかな生活を実現するための幅広い取り組みを行っています。この活動はまだ始まったばかりですので、今後さらに普及活動を続けていき、エビデンスに基づくヘルスケアサービスの重要性を広めていきます」と、事業への思いを語りました。

事業について語る、AMED医療機器・ヘルスケア事業部ヘルスケア研究開発課の阿野さん

本事業をヘルスケアサービスの事業者、利用者、皆さんと一緒になって、確かなサービス開発につなげていきますので、ぜひウェブサイトや動画等、ご覧ください!

👉E-LIFE ヘルスケアラボ(予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業(ヘルスケア社会実装基盤整備事業)

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