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【AMED事業◎クローズアップ】挑戦的な課題に挑む!AMEDムーンショット事業<入門編>

私たちAMED(えーめど)は、医療研究開発を推進する公的ファンディングエージェンシーとしてさまざまな医療研究開発を推進していますが、その中の一つに「ムーンショット型研究開発事業」 という事業があります。

 “医療研究でムーン(月)?”と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、“ムーンショット”とはつまり、月に向かってロケットを打ち上げるがごとく、“達成すれば大きなインパクトとなる困難な課題に挑戦する”ことを指す表現です。この「ムーンショット型研究開発事業」は2018年に内閣府が主導で制度を立ち上げました。


未来に向け、科学技術で果敢な課題解決に挑戦

内閣府の「ムーンショット型研究開発制度」には、環境、エネルギー、ロボットなど、さまざまなテーマで9つの目標があり、目標ごとに担当機関が事業を推進しています。そして、AMEDは、健康医療分野である「目標7」の達成に向け、挑戦的な研究を推進しています。

ムーンショット型研究開発制度の概要及び目標について
内閣府の資料からAMEDにて改変

そもそも内閣府はなぜこのムーンショット型研究開発を立ち上げたのでしょうか。その背景について、立ち上げ当時、AMED研究開発統括推進室基金事業課でAMEDのムーショット事業担当者であった永田梢さん(現 AMED研究公正・業務推進部研究業務推進課)は、「国は、人々の幸福を追求した未来の社会像を描き、そこからバックキャストした形で、現在のムーンショット目標を立てました。人を魅了し奮い立たせて(Inspire)、信憑性があり(credible)、創意にあふれ斬新(imaginative)。夢を夢で終わらせない、ドキドキワクワクするような研究開発なんですよ」と話します。 

AMEDのムーショット事業担当者であった永田梢さん

これからの人生100年時代をどう作るか
世界に先駆けて取り組む

そして、AMEDが担当するのは健康医療に関する「ムーンショット目標7」。目標7は「2040 年までに、主要な疾患を予防・克服し 100 歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現」を掲げています。

【目標7のターゲット】
■ 日常生活の中で自然と予防ができる社会の実現
■ 世界中のどこにいても必要な医療にアクセスできる
    メディカルネットワークの実現
■ 負荷を感じずにQoLの劇的な改善を実現
  (健康格差をなくすインクルージョン社会の実現)

内閣府 ムーンショット目標7資料

日本は2040 年には 100 歳以上の人口が 30 万人以上になると予想されており、人生100年時代をどう作るか、世界に先駆けた取組が求められています。そこで、日常生活の中で主要な疾患を早期に発見・予防し克服することで健康寿命を延ばし、少子高齢化時代を切り開こうというものです。

2022年7月16日「100歳でも健康に生きられる 医療の実現に向けて-ムーンショット目標7 シンポジウム2022-」中西 真教授(東京大学)の「老化細胞を除去して健康寿命を延伸する」スライドより

慢性炎症を予防・克服して、健康寿命を延ばす!

AMEDのムーンショット型研究開発事業を統括するプログラムディレクター、量子科学技術研究開発機構の平野俊夫理事長は、この目標7の達成に向けたAMED事業の意義について、「健康長寿社会実現のためには、従来のように単に病気を治療するだけでなく、QoL(Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ))、つまり、その人がこれでいいと思えるような生活の質を維持した医療が重要です。医療には予防、治療、リハビリなどがあり、医療を受けた後の日常生活もあります。これらの医療提供そのもの、また、医療後の生活すべてにおいてQoLが大事な視点だと考えています。健康長寿社会において主要な疾患である、がん、脳疾患、心臓血管疾患などは、遺伝的要因と食事、運動、休養等の乳幼児からの生活習慣や加齢(ライフコース)に根ざした生活習慣病であると考えられます。これら疾患の最も根本的なキーワードは慢性炎症(炎症反応が軽度ではあるが、長時間持続し慢性化した状態。じわじわとくすぶるような炎症状態が続くと、生体組織の機能や構造に異常が生じ、さまざまな疾患の原因となる)だと考えています。この慢性炎症の観点を軸として、AMEDのムーンショット型研究開発事業の各プロジェクトを進めていきます」と語ります。

AMEDムーンショット研究開発事業のプログラムディレクターで
量子科学技術研究開発機構の平野俊夫理事長

ムーンショット目標7:プログラム紹介(長編) / Moonshot Goal 7 : Program (long) - YouTube
シンポジウム・講演会・研究成果動画 | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (amed.go.jp)

基礎研究の成果から臨床試験まで。成果を社会へ

また、AMEDのムーショット事業担当者であるAMED研究開発統括推進室基金事業課の松本隆さんは、事業の進捗状況について、「現在、2つの実現可能性研究(Feasibility Study)を含む、9つのプロジェクトを実施しています。

AMEDムーンショット型研究開発事業の9つのプロジェクト

中でも、2020年度(令和2年度)の事業開始当初に採択した5つのプロジェクトでは、それぞれのプロジェクトマネージャー(PM)から、生物系3大誌の1つであるNature誌への掲載を始めとして、数多くの論文が発表されています。基礎的な成果が出始めると共に、例えば、細胞の活動が低下する難病の一つ、ミトコンドリア病の治療薬の臨床試験(第I相)が開始されるなど、既に社会実装へ向けて動き始めているものもあります。2022年度(令和4年度)採択の4つのプロジェクトは、これから研究開始となりますが、興味深い成果が出てくることを期待しています。特に日米がん連携では、アメリカの国立がん研究所(National Cancer Institute)との連携もあり、国際的にも注目されています」と話します。

AMED研究開発統括推進室基金事業課の松本隆さん

夢を夢で終わらせない!現在実施中のプロジェクトは具体的にどのような医療研究なのか、詳しい内容は、今後順次ご紹介します!

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