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【イベント☆レポート】ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)国際会議・式典行事にAMED理事長が出席

ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(Human Frontier Science Program: HFSP)は、日本が提唱して創設され、30年を超える歴史を持つ国際共同研究推進プログラムです。私たちAMED(えーめど)は文部科学省及び経済産業省とともに日本を代表してHFSPの運営支援に参画しています。


HFSPはその事務局であるHFSPO(HFSP機構)が運営しており、その意思決定は各国から選出された理事が行っています。AMED三島理事長はHFSP機構の理事として、その運営に携わっています。

AMEDは日本の医療研究開発力の強化やグローバルな共通課題への取組を進めるべく、世界各国と連携した共同研究や、海外などの異なる研究環境に挑戦する若手研究者を支援しており、HFSPへの支援もその一環です。

そうした中、2023年6月、フランス・パリで行われたHFSPに関する国際会議・式典行事に、日本国政府代表と共に三島理事長が出席しました。

運営支援国会合(TCHM)各国代表の記念写真

生命科学のフロンティアを切り開く世界トップレベルの国際共同研究推進プログラム、HFSP

HFSPは、1987年のG7ヴェネチアサミットにおいて、中曽根康弘総理(当時)が提案して創設された、国際共同研究推進プログラムです。いまだ誰も取り組んだことが無いような挑戦的な研究活動を通して、生命そのものについての重要な課題を解き明かすための国際共同研究を支援しています。1989年の運営開始以降、「野心的な最先端の研究を推進し、またその成果を広く人類全体の利益に供する」という本プログラムの理念に賛同する国が加盟し、現在では17の国と地域(※)が運営支援国として、HFSPを支えています。

※日本・米国・英国・フランス・ドイツ・イタリア・カナダ・スイス・オーストラリア・韓国・ニュージーランド・インド・ノルウェー・シンガポール・イスラエル・南アフリカ及び欧州委員会

Human Frontier Science Program (hfsp.org)

30年余りに渡る、研究グラントやフェローシップなどの研究助成活動を通じて、これまで28名のノーベル賞受賞者をはじめ、顕著な業績を上げる研究者が数多く輩出されており、HFSPは非常にハイレベルな研究助成プログラムとして、プログラム自体のみならず、プログラムに採択された研究者も世界的に高く評価されています。

日本はこれまでHFSPの運営に、人的にも財政的にも高い貢献を行ってきました。歴代の理事長は全て日本から輩出されており、現在は大阪大学の長田重一栄誉教授が、HFSPの第6代理事長を務めています。このような日本の貢献は他の運営支援国からも極めて高く評価されています。

今後3年間の活動資金計画をとりまとめ
2023年6月27日にパリで運営支援国会合(TCHM)が開催されました。これは向こう3年間のプログラム運営に向けた各運営支援国の資金拠出計画を各国代表の間で合意するもので、各国の拠出金額によって、どれほどの研究支援が実施できるかが決まります。原則として3年に1度開催される事とされており、前回は2019年に東京で開催されました(今回のTCHMは新型コロナウイルス感染症の影響により1年延期されての開催)。

フランスのTCHMサミット会場

三島理事長は、合意内容の調整を事前に行う「プランニンググループ会合」の共同議長を務め、2022年末から半年間、将来のプログラム活動構想と各国の予算事情との間の難しい関係を調整する役割を担いました。

当日の会合では、無事に共同コミュニケが運営支援国間での合意に至り、日本は文部科学省の奥野真審議官が代表して署名しました。三島理事長は各国の尽力に対する感謝の意を述べ、各国からは日本の貢献を高く評価し深く感謝する旨の発言がありました。

また、我が国発の提案に賛同した各国の協力が、これまでのプログラムの発展に大きく貢献してきたことに対して日本政府からの感謝を示すべく、駐仏日本大使によるレセプションが開かれ、招待された各国代表間での交流が図られました。

各国代表と三島理事長

フランス政府・HFSP機構が共催するハイレベルサイエンスサミットにAMED三島理事長が登壇!

3年に一度の運営支援国会合を無事に終えた後の6月27日午後、フランス政府とHFSP機構が共催するハイレベルサイエンスサミットが開催されました。これは国連の「持続可能な開発のための国際基礎科学年(IYBSSD)」に関連したイベントとして計画されたものです。

国連は、今世紀の主要課題として持続可能な開発目標を定めた「2030年アジェンダ」の達成に向け、持続可能な発展における基礎科学の重要性に対する認識を高めるために、2022年6月30日から2023年6月30日までの1年間を「持続可能な開発のための国際基礎科学年(IYBSSD)」と定めました。HFSP機構は、このIYBSSDによる基礎科学の推進に関する活動に国連の公式パートナーとして関与しています。

これを受けて、持続可能性の向上に向けて、基礎生命科学の研究成果が持つ可能性について議論するべく、6月27日に政府関係者や各国の学界トップらが一堂に会するハイレベルサイエンスサミットが、同28-29日に科学者らによる議論を中心とした国際サイエンスシンポジウムがそれぞれ開催されました。

この一連の行事に、日本を代表して、中曽根弘文参議院議員、井出庸生文部科学副大臣及び太田房江経済産業副大臣とともに、三島理事長が招待を受け、各国閣僚や研究機関の長、学界のトップらと共にハイレベルサイエンスサミットに出席しました。

スピーチを行う中曽根議員
スピーチを行う井出文部科学副大臣
スピーチを行う太田経済産業副大臣

中曽根議員、井出副大臣及び太田副大臣からは祝辞が述べられるとともに、三島理事長はパネルディスカッションに登壇し、持続可能性を向上への貢献が期待される基礎生命科学の研究推進に向けて各国のファンディング・エージェンシーがどのように取り組むべきかについて議論を交わしました。また、三島理事長は、産業化に向けた最後の段階の後押しも含めて一気通貫で行う研究の支援や、産業界と若手を含めた研究者との協働に貢献するAMEDの活動についての紹介を通じて、基礎研究と実用化・産業応用の間にある「死の谷」を超えるための取組の重要性について言及しました。

パネルディスカッションで発言する三島理事長

国際共同研究を通じ、世界トップレベルの研究の輪へ日本人研究者の参画を促進!

国際的にも評価が高く、世界に羽ばたく足掛かりとして非常に有意義なHFSPですが、残念ながら、近年は日本からの応募者数は年々減少する傾向にあります。AMEDは、より多くの日本の研究者が、HFSPを通じて生命科学のフロンティアへと挑戦する機会を得られるよう、HFSP機構と連携して行う説明会をはじめとした本プログラムの周知活動の実施や、日本人研究者の国際共同研究ネットワークの参画・形成に向けた支援を行っています。

サミットでスピーチを行う仏ルタイヨ大臣

👉そのほかHFSPの事業内容や応募に関する情報の詳細や、グラント受賞者の体験談・アドバイスなどは、以下のページをぜひご覧下さい!
ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP) | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (amed.go.jp)

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